9 原因

感覚、例えば触ったら熱いと感覚すると
次には実際に触らなくても
すこし感覚から離れて
頭の中でこれは熱いのだと予測ができる
次に、熱いものに触れた感覚の積み重ね
つまり経験が増えると
こういった種類のものが熱いと分かる
そうして調査を進めるとさらに感覚から離れて
どのような原因で熱いのか、が見えてくる
火がつくと熱い、触れると熱い
さらに感覚から離れて
火はなぜ発生するのか?
触るとなぜ熱いのか?
これはどちらも原子、分子の働きである
もはや触って熱いという感覚からは遠く離れている
もっと突き詰めると
更に小さい素粒子
あるいはエネルギーの
「移動」だということが分かる
もっともっと原因を追求すれば
移動とはすべて、
ある点からある点に動くことである
究極的に動くこととは一体なんなのか
私には分からないが
ともかく最初の感覚である
「熱い」の原理とはつまり
「動き」である

原因や原理を知ることは
例えば熱さを原因の段階で避けることができる
このような知識は指導的であり、王者的である
このような知恵あるものが命令すべきであり
ないものが命令すべきではない
究極的にはすべての感覚と原因を知るもの
それはとりあえず神という風に表現される
宗教とか居る居ないではなくそう呼ぶしかない
王や神に近づくとは以上のような事である

というわけで弱気にはなってはいけない。